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皮膚のケア / Skin Care

皮膚は体内で最も大きな器官系です。皮膚は丈夫で柔軟で、その下にある組織を空気や水や体外の異物や細菌から保護しています。怪我に敏感で、驚くべき自己修復能力を持っています。しかし、回復力に富んでいるにもかかわらず、皮膚は、長時間の圧力や過剰な力や摩擦に耐えることはできません。

皮膚に圧力が加わったままになると、皮膚に栄養や酸素を供給している毛細血管を圧迫します。皮膚から血液が奪われている時間が長くなりすぎると、組織は壊死して褥瘡が形成されます。

褥瘡は、麻痺を持つ人の生存期間中における主要な合併症の一つです。例えば、脊髄損傷患者の3人に一人で受傷後まもなく褥瘡が発症し、50~80%は後日褥瘡が発症すると推定されています。褥瘡は、多くの場合予防が可能ですが、正しいケアや適切な装備をもってしても発症することがあります。この褥瘡の治癒にはしばしば時間やお金やケアを必要とします。手術を必要とする程重症な褥瘡では、数ヶ月床につかなければならないこともあります。治療には数千ドルの費用がかかる上、仕事や学校の時間や、家族とすごす大切な時間が奪われてしまいます。

床ずれや褥瘡とは、過度の圧力や応力がかかっていた場所の皮膚が受ける損傷を指す言葉です。この状態は、文字通り、皮膚とその下部組織の損傷です。

圧力による皮膚の損傷は、通常、臀部のように、皮膚の近くに骨がある部分から始まります。これらの骨の突起が、内側から皮膚を圧迫します。皮膚の外に硬い物があっても、皮膚の血行が妨げられます。麻痺によっても血液循環速度が低下しますから、皮膚への酸素供給がさらに減少して、皮膚の抵抗力が下がります。身体はその部分にさらに多くの血液を送って補正しようとします。これによってむくみが生じ、そのために血管にさらに圧力がかかり、皮膚の健康が一層損なわれてしまいます。

褥瘡の治療には、数週間の入院やベッドでの休養が必要となることがあります。複雑な褥瘡の場合は、手術や皮膚移植が必要となることもあります。

誰が褥瘡にかかるのでしょうか。健常者であっても、同じ格好をし続けて、身体の特定の部分に長い間大きな圧力が加わり続けると、褥瘡になることがあります。車椅子を使っている人や寝たきりの人は、自分で身体の向きを変えることが困難だったり、補助なしでは体重の移動ができないので、特に褥瘡になりやすいでしょう。身体の動きに制限がある上に感覚障害がある場合、圧力を緩和するためにいつ身体を動かしてよいか感じることができないため、褥瘡を起こす確率が高くなります。

感覚の喪失は原因の一部でしかありません。外傷や疾病に関連した麻痺は、皮膚そのものの生化学に影響を及ぼします。例えば、皮膚に抗張力を与えるコラーゲンのような蛋白質が著しく失われます。これにより、皮膚は脆弱になり、弾性も失われます。加齢も皮膚損傷のリスクを高める原因となります。一般に高齢者の方が、褥瘡を起こすリスクが高くなります。

骨の突起周囲(臀部、かかと、肘、尾骨、座骨などの座る部分)の筋肉を使用しないでいると、筋肉の損失(萎縮)を招き、皮膚損傷のリスクを高めます。

摩擦力やせん断力(ベッドや椅子の上でスライドするなど、皮膚組織を引っ張る動き)によって血管が伸びたり曲がったりするので、その結果、褥瘡が引き起こされます。持ち上げる代わりに表面上を引っ張ると、擦過傷が起こります。皮膚をぶつけたり落下すると、すぐには表に現れないような皮膚損傷を起こすことがあります。褥瘡は衣服、ブレース、堅い物などで皮膚が圧迫されても起こります。また、痛感に制限のある人は、やけどによる皮膚損傷を起こしやすくなります。

過剰な発汗や失禁のある人では、過剰な湿気も褥瘡の原因となります。

栄養:栄養失調はからだ全体の健康に深刻な影響を与えますが、麻痺患者では褥瘡のリスクが高くなり、回復も遅くなります。身体は、皮膚の健康を保ち、損傷を修復し、感染から守るために、蛋白質やビタミンなど各種の栄養素を必要とします。身体から栄養が失われると、褥瘡などの合併症を防止する能力が制限されてしまいます。

体重の問題:肥満の人は、褥瘡のリスクが高くなります。それとは反対に、体重が軽すぎる人もリスクが高くなることがあります。肥満の人では余分な体重によって皮膚の敏感な部分に大きな圧力が加わります。筋肉や体重が不足すると、(クッションの詰め物を考えるとわかるように)力に対する皮膚の弾力性が弱くなります。

褥瘡のリスクを高める他の要因として、不健康、脱水、不衛生、喫煙、貧血症、糖尿病のような慢性疾患、血管病、痙性、装備の不備、薬物乱用、うつ病が挙げられます。医学文献には、うつ状態の人は、皮膚の健康などの重要なセルフケアを軽視する傾向にあることが示唆されています。

褥瘡のタイプ:褥瘡は深さやサイズ、組織層の損傷の深さや大きさに応じて、4つの段階に分けられます。各段階は:段階I(初期兆候)、段階II(水ぶくれ、ときには裂け目や潰瘍)、段階III(皮膚組織深部への損傷)、段階IV(筋肉や骨に至る損傷)です。

段階I:褥瘡は、ほとんどいつでも、皮膚に赤い部分ができることで始まります。この赤くなった部分は、堅かったり、熱をもっているように感じられます。皮膚の色が濃い人は、その部分が通常より光って見えたり、暗く見えることがあります。この段階では、組織の損傷は復元可能です。圧力を取り除けば、直ちに皮膚は元の状態に戻ります。

ケア:圧力の原因を取り除いてください。温水で患部を洗浄し、乾いた状態に保っておきます。変色している限り圧力をかけずにおき、皮膚を完全に回復させます。座部が褥瘡になった場合、できるだけ座らないようする必要があります。座る場所やマットレスなどを点検して、褥瘡の原因を見つけてください。水分を取って休養し、栄養豊富な食事を心がけましょう。皮膚を清潔で乾燥した状態に保ちましょう。皮膚を頻繁に点検します。褥瘡が数日経っても治まらなかったり悪化する場合には、医師の診断を受けてください。

段階II:褥瘡が水ぶくれやひっかき傷を形成したり、皮膚の表面が膿を伴って開き始めている状態です。これは、皮膚下部の組織が壊死し始めていることを意味しています。直ちに圧力を緩和してその皮膚の部分を手当てしないと、感染症が骨を冒して健康に重大な影響を及ぼすような危険なレベルまで、褥瘡が急速に亢進することがあります。

ケア:この場合も、患部から圧力を除去します。医師に連絡します。傷口を清潔で乾燥した状態に保ち、頻繁に点検を行います。医師の指示に従います。これは、通常、患部を生理食塩水で洗浄して、患部を治癒に最適な状態にするため、処方された傷薬を塗布します。

段階III:この段階に至るまでに、壊死した組織に、穴や潰瘍が形成されます。損傷した組織は、少なくとも皮下組織や皮膚組織の第三層まで広がり、骨まで到達している場合もあります。

ケア:段階IやIIと同じ初期手順に従います。一般に、この段階では特別な傷の手当てを必要とします。これには、創面切除(傷から壊死組織や異物を外科的に除去する)が必要です。治療後の手当てには、専用の傷薬や軟膏や抗生物質の投与、徐圧に効果的な座面や寝台面が必要となります。

段階IV:これは、褥瘡の最悪の段階です。損傷は筋肉まで及び、骨まで達していることもあります。ほぼ常に、排膿が伴っています。重症の場合、過剰な肉芽形成も起こります。

ケア:熱があって、緑や黄色の膿があり、傷口の温度が周囲よりも高い場合、感染症を起こしている可能性があります。褥瘡内に感染が起こったときには、常に、褥瘡周辺の組織も感染している恐れがあります。この状態になってしまった場合、敗血症の可能性があります。治療しない場合、死亡することがあります。

段階IVの褥瘡では、数週間の入院の後に、数週間のベッド上の安静を必要とします。進行した褥瘡では、ほとんどの場合、手術または皮膚移植(通常、脚から取った皮膚を患部に縫いつける手術)が必要です。この手術には10万ドルまたはそれ以上の費用がかかり、長期間日常生活に戻れないこともあります。

進行した潰瘍であっても、手術を行わずに治癒を促進するデキストラノマーや、それよりも新しい治療薬である親水性ポリマーを採用すると、外科手術をまったく行わずに済ませることができます。実際、褥瘡の回復を促進するために、親水性ゲルなどの新しい局所性薬剤や、ハイドロコロイドなどの新しい傷薬が入手可能です。

さらに、まだ広くは使用されてないものの、成功率の高い新種の治療法もあります。その一つは持続陰圧吸引療法と呼ばれる方法です。気密性のある泡状傷薬を塗布し、真空ポンプで傷の周囲に陰圧を形成して、血流を刺激し治癒を促進します。別の可能性として、電気療法があります。この方法では、微少の電流で治療が促進されます。これは新しい褥瘡治療の一つであるため、正しい機材を使用する、特別の訓練を受けた専門医を捜す必要があります。

基本的な治療法:

徐圧

生理食塩水による傷の洗浄

頻繁な体重移動

特殊なシートクッションやベッド

組織除去のための渦流浴

局所性抗生物質軟膏

ゼラチン泡包帯

ハイドロコロイド傷薬

抗生物質

創面切除

皮膚移植

外科的洗浄法

持続陰圧吸引療法

電気療法

皮膚疾患のほとんどは、日常的に皮膚を点検し正しい装備を使用することで予防可能です。ベッドや椅子で身体をサポートするために、特殊ベッド、マットレス、マットレスカバー、シートクッションなどの各種徐圧サポート面が入手可能です。

予防

防御の第一歩は、皮膚の手入れに責任を持つことです。褥瘡になる危険のある人は、日頃から皮膚を点検する習慣をつける必要があります。動きに制限がある人や寝たきりの人は、介助者に、毎日の点検を手伝ってもらう必要があります。車椅子を使う子供を持つ親は、褥瘡発症の恐れのある部位があるかどうか、皮膚を点検する必要があります。

サポート表面が良好な状態であるか、定期的に確認することも重要です。これは、日常使用している車椅子のシートやトイレやリフターや他のシートクッションを点検することを意味します。クッション材の専門家と一緒に、市販のシートシステムやクッションを調べてみましょう。さらに、褥瘡防止のために体重を分散させる、各種の徐圧寝台面(マットレスやマットレスカバー)もあります。

ビタミンやミネラルが豊富な食事も、褥瘡に伴う合併症を予防するために重要です。健康的な食生活は、健康な皮膚の元です。健康な皮膚は、日常的にさらされる圧力やストレスに耐えることができます。また、血液に栄養が十分含まれていれば、皮膚に傷ができても早く回復します。蛋白質やアミノ酸は、皮膚や筋肉や骨を強く保つために必要不可欠です。また、ビタミンCやEは、皮膚の回復機能を高めます。

車椅子を使っている人は、定期的に座位を変える必要があります。上半身が使えるならば、腕立て伏せの要領で数秒間シートから身体を持ち上げればよいのです。これにより、座部の皮膚から、圧力を緩和させることができます。

上半身が動かせない人の場合は、補助が必要です。(シート全体を後方に倒しても座位を保てる)チルトインスペース車椅子が必要となることもあります。

寝たきりの人の場合、少なくとも1~2時間おきに体位を動かす必要があります。体位を動かしたときに、皮膚が引っ張られていないか注意深く点検する必要があります。

予防法:

健康的な食生活や衛生や定期的な徐圧は、皮膚を健康に保ちます。まず第一に、皮膚を清潔で乾燥した状態に保ちます。汗や体内からの分泌物で湿った皮膚は、損傷を受けやすくなります。

少なくとも2時間おきに体位を変えて、日常的に徐圧します。

皮膚を少なくとも一日一回点検し、敏感な部位は特に注意を払います。

蛋白質やビタミンやミネラルを十分に含んだ、バランスの良い食事を摂ります。

サポート表面や器具に磨耗や破損がないか、定期的に点検します。

喫煙はやめましょう。喫煙は毛細血管を狭めて、皮膚への栄養供給を阻止します。ヘビースモーカーは褥瘡を起こしやすいという研究報告があります。

日常的に運動すると、皮膚の強さや活力を改善し、全般的な健康増進に役立ちます。

ベッドシーツや衣服を定期的に取り替えます。

湯と刺激の少ない石けんで皮膚を洗浄します。湯の温度が高いと皮膚に損傷を与えます。

節制を保ち、湿気を減らします。

「危険部位」や骨ばった部分に直接圧力が加わらないように注意します。

徐圧に効果的な枕など、保護パッドや用具を使用します。

水分を十分に取ります。回復中の傷は、一日で1リットル以上の水分を失います。一日に8杯~12杯の水分を摂っても多すぎることはありません。注意:ビールやワインは水分に含まれません。アルコールには脱水効果があります。

体重の急激な増減は避けましょう。体重や体形が大きく変化したときは、必ず、補助具を再調整してください。

体重に注意を払いましょう。やせすぎると、骨と皮の間のクッションがなくなり、わずかな圧力が加わっただけでも皮膚が損傷することがあります。体重が増えすぎるのも危険です。体重が多いと骨と皮の間にクッションはできますが、皮膚に大きな圧力が加わることになります。

褥瘡に関する知識やその予防法について学び続けましょう。

アクティブに人生を楽しみましょう。

資料:

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床ずれ、褥瘡、圧力潰瘍、褥瘡性潰瘍、瘡傷管理、皮膚瘡傷

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AAHD NewsletterThe American Association on Health and Disability published this Spring 2004 article, "Preventing Pressure Sores," in their Health and Disability Newsletter.

Craig HospitalWith funding from the US Department of Education's National Institute on Disability & Rehabilitation Research, has developed educational materials to help people with spinal cord injuries live in the community maintain their health. Topics include skin care, exercise, heart disease, weight control, alcohol abuse and conditions related to the aging body. Use the link above and click on SCI Health and Wellness.

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merck.comMerck Manual of Diagnosis and Therapy: Pressure Sores

KCIKinetic Concepts Inc. (KCI) offers a "Wound Management Reference Guide."

National Library of Medicine (NLM)Offers deep resources on numerous medical conditions.

npuap.orgNPUAP stands for National Pressure Ulcer Advisory Panel. Visit their website to learn about some of the panel's latest research and recommendations.

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spinalinjury.netSpinal Injury.net's Pressure Sores

travisroyfoundation.orgTravis Roy Foundation: Pressure Sores

VAC TherapyVacuum Assisted Closure (VAC) Therapy: An Advanced System for Wound Healing.

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